【第3話】娘の寝顔と、湧き上がる決意の夜

マル子の道

前回、木登りや高校受験、カナダ留学の話を書きました。

「後先を深く考えない、なんとかなるさ!精神」

とにかくやってみよう!というこの性格は、離婚のずっと前から、私の中にあったものです。

離婚が決まって、実家に戻って、しばらく経ったある夜のことでした。

娘を寝かしつけたあと、私はしばらく、その寝顔を見ていました。

生後半年の顔というのは、本当に何も知らない顔をしています。世の中に裏切りがあることも、お金の心配というものがあることも、自分の家庭に何が起きたのかも、何ひとつ知りません。

その顔を見ているうちに、胸の奥から、二つの感情が、ほとんど同時に上がってきました。

ひとつは、重圧でした。

この子の人生は、当面、私ひとりの肩にかかっている。私が倒れたら、この子の生活も倒れる。私が稼げなければ、この子は満足に学べない。逃げ場のない、ずしりとした重さでした。

でも、その重さを感じた次の瞬間、もうひとつの感情が湧いてきました。

—— やるっきゃないな。

開き直り、と言ってしまえばそれまでかもしれません。重圧が消えたわけではないのです。ただ、その重さを「背負えるか背負えないか」と悩むことをやめたのです。

背負う。以上。

誰かのせいにしても、娘のミルク代は一円も増えません。泣いても、口座の残高は変わりません。元夫を恨む時間があったら、その時間で私は何かを学べる。何かを変えられる。

この子と私の未来は、私が作る。他の誰でもなく、私が。

人生でいちばん静かで、いちばん大きな決断でした。

そしてこれは、前回書いた「なんとかなるさ、やってみよう!精神」が、初めて本気で試された夜でもありました。

木登りや高校受験は、失敗しても、私一人が困るだけでした。でも今回は違います。この決断の先に、娘の人生がかかっている。

それでも、私は同じやり方を選びました。まず自分の中で覚悟を決める。決めたら、動く。

次回からは、その「動く」の中身を、具体的に書いていきます。まず手をつけたのは、家計管理、お金の勉強でした。

次回【第4話】は、自作の家計簿の話をしようと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました!

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