前回、岩瀬大輔さんの本をきっかけに、保険を見直した話をしました。月々の保険料を4,000円から1,000円台に下げたことで、年間30,000円を削減するという小さな成功体験を手にしました。
保険を見直したことで、少し自信がついた私は、もう一冊の本を手に取りました。
山崎元さんの「超簡単 お金の運用術」。
山崎元さんは、北海道出身の経済評論家で、資産運用を専門にされている方でした。数々の金融機関を渡り歩いてこられた経歴の持ち主でもあります。2024年1月1日に食道がんのため亡くなりました。
この本を読むまでに、私は色々なお金にまつわる苦労をいくつか経験しました。
・エステティックサロンの永久脱毛で車が1台買えるほどの額を費やす
・華やかな料理教室に踊らされ、これまた高額なスクール代を払って通う
・自己啓発セミナーでネットワークビジネス(NB)の勧誘と知らずに気がつくとメンバーとして各種セミナーに参画する
どれも高額でしたので、高い手数料の分割払い、毎月の支払いが苦しくなった時にはリボ払いにまで手を出しました。リボ払いの恐ろしさはそこで学びました。
副業禁止の会社ですが、「背に腹は変えられない」と休日は自転車でメール便配達に明け暮れました。サロンの支払いを終え、クッキングスクールの支払いも終わり、NBともキッパリと縁を切り少しずつ足枷を外していきました。
どれも決して無駄ではなかったと思っています。
・永久脱毛なので今でも全くお手入れが不要
・料理の基本やお菓子、パンが自宅で作れるようになった
・ネットワークスビジネスは自分には全く向いていないとわかった
・分割払いで月々が少額になるが、日々の支払いに追われる
・リボ払いで毎月の金額が一定になりわかりやすくなるが、実際には残高に対して利息がつき続けて全く返済が終わらない
・ネットワークビジネスでのタイムマネジメントセミナーなどは勉強になった
「はっきり言うと、これまでのマネー運用本の九九%は不要になる。」
「世の中にある運用商品の九九%以上が、購入の検討にすら値しない「明らかに損な」商品だ。」
冒頭にはこう書かれていて、思わず読み進めました。
山崎さんの本には、「超簡単 お金の運用法」として、6つのステップがシンプルにまとめられていました。私なりに要約すると、こんな内容です。
- まず生活費3ヶ月分くらいは、普通預金に置いておく
- 残ったお金を「リスクを取っていいお金」と「元本割れさせたくないお金」に分ける
- リスクを取っていいお金は、TOPIX連動型のインデックスファンドと、全世界株式のインデックスファンドに半分ずつ投資する
- 元本割れさせたくないお金は、個人向け国債やMRF、あるいは銀行預金で持っておく
- まとまったお金が必要になったら、迷わずどちらかを解約して使う
- NISAや確定拠出年金といった非課税の制度は、使えるだけ使う
この本を読んでいくうちに、お金に対する考えがどこか変わっていく感覚がありました。
とてもやさしくまとめられているこの本を読み終わって、私はすぐに動きました。
ネット証券であるSBI証券に口座を開きました。これも、山崎さんの本に書いてあったことに、素直に従っただけです。ネット証券は手数料が安く、銀行などと違い窓口がない分、余計な商品を勧められることもありません。
口座開設の手続きはとても簡単でした。
問題はここからでした。
いくら運用するか。
私の手元には、財産分与で受け取ったいくらかまとまったお金がありました。まだ育休中であった31歳のシングルマザーにとって、それは大金でした。
山崎さんのお言葉の中でここだけは素直に従いませんでした。
あの時の私は、全額、インデックスファンドの購入に充てました。
内訳は、
・先進国株式のインデックスファンド
・日経225のインデックスファンド
・全世界株式のインデックスファンド
いずれも低コストの、ごく標準的な商品です。
なぜ、そんなクレイジーなことができたのか。
ひとつは、山崎さんへの信頼でした。本を読み、理屈は腹に落ちていました。
長期で、分散して、低コストで持ち続ければ、世界経済の成長がリターンをもたらしてくれる。短期的には上下しても、時間が味方をしてくれる。理屈の上では怖くありませんでした。
でも、理屈だけでは大金を全て放り投げることはないと思います。最後に背中を押したのは、もっと別のものでした。
なくなってもいいや、と思えたことです。
過去のお金を大事に抱えて、減るのを恐れて縮こまって生きていくのは、嫌だな、と。
それよりも、このお金には未来に向かって働いてもらおう。そして、私は私で、自分のスキルをあげて稼いでいこう。
人生最大(額)の賭けだったと思います。でも、きちんと学んだ上で、理屈を理解した上で、最悪の事態が起きても受け止める覚悟をした上での賭けでした。
何が起きても、自分でやって乗り越える。
誰にも言わず、進めたこの決断は10年後に「山崎さん素晴らしい書籍を本当にありがとうございました」「10年前の自分にありがとうと伝えたい」と思えるようになりました。
次回【第7話】は、少し話題を変えて、実家を出て新しい家を探し始めたころの話をします。
ここまで読んでいただきありがとうございます!


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