【第1話】スマホの画面に並ぶ、三つの数字

マル子の道

夜、娘がお風呂に入ってるんるんと鼻歌を歌っている間、静かなリビングで、私はときどきスマホの画面を開きます。

SBI証券のアプリ。指紋認証を通ると、見慣れた画面が現れます。そこには、三つの数字が並んでいます。

プラス395パーセント。

プラス372パーセント。

プラス272パーセント。

これは、私が保有している投資信託の損益率です。ざっくり言えば、投じたお金が四倍前後になっている、ということになります。

自慢をしたいわけではありません。むしろ逆です。

この数字を見るたびに、私は少しだけ不思議な気持ちになります。これを始めたのは、投資の知識も経験もない、31歳のシングルマザーだったからです。生後半年の娘を抱えて、離婚したばかりで、手元にあったのは財産分与で受け取った数百万円だけ。特別な資格もありませんでした。

あの夜、娘の寝顔を見ながら決めたことを、私はずっと続けてきました。

このブログは、その覚悟がどこから来て、私をどこへ連れて行ったかの記録です。

離婚。数百万円の投資。中古戸建の即決購入。朝3時からの社会人大学生活。電子工作との出会い。プログラミングスクール。そして40代で受けた、乳がんの告知——。

書き出してみると、我ながらよく次から次へといろんなことが起きたものだと思います。平穏とは言いがたいです。でも、不幸だったかと聞かれたら、はっきり答えられます。

——いいえ。むしろ、どんどん面白くなっています。

私は特別な人間ではありません。地方に住む、ごく普通の会社員のシングルマザーです。学歴が高いわけでも、実家が裕福なわけでも、特別な才能があるわけでもありません。

ひとつ挙げるならば、決めるのが早いことと、決めたらやることだと思います。

そしてもうひとつ。困難が来たときに、「なんで私ばっかり」と思う代わりに、「やるっきゃないな」と思う癖がついていること。

この癖は、生まれつきのものではありません。

私がこの道を歩いてくる中で身につけたものです。

次回から、まずは私の生い立ちからじっくり書いていきます。

ここまで読んでいただきありがとうございました!

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